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2011.04.27 Wednesday
ピアノ中級の壁(8)
前回の続きです。
今回で、「ピアノ中級の壁」シリーズの最終回にしたいと思います。
●ここ数ヶ月の変化
私にとって、一番欠けていた基礎力は、読譜力でした。 これが、中級の壁のボトルネックでした。
ところが、去年(2010年)の秋ごろから、自分の読譜力が目だって改善してきている実感が沸いてきました。
それまでは、「楽譜が読める」といっても、「次に弾く音を読む」という「一音限定読譜」の状態だったのが、数音ですが「先読み読譜」ができるようになってきました。
すると、手元の鍵盤をあまり見ずに「楽譜を見ながら弾く」ことができるようになってきました。
私の場合は、この事が、様々な基礎力不足の足の引っ張り合いである基礎力不足トライアングルを打破するきっかけになったようです。
一度、「楽譜を見ながら弾く」ことができるようになると、それまでの暗譜頼みの状態に比べて、練習の効率が目に見えて改善します。 「基礎力『不足』トライアングル」は、逆の見方をすれば、「基礎力『強化』トライアングル」です。 ボトルネックであった読譜力が強化され、一度、好い循環が動き出せば、長い停滞から脱却できます。
明らかに、質的変化が生じた、と言ってよいと思います。
●インベンションの記録
その傍証として、最近の結果も含めて、インベンションのマルの表を下に示します。
最初は、なんと、2年で3曲。 たった6ページの楽譜に、それだけの時間がかかりました。 中級の壁に突入した時期です。
しかし、その後、ペースが上がっていきます。
当然、難易度の低い曲からやっているのですが、一曲をこなす時間が短縮していきます。 2010年になると、おおむね2か月強でマルがもらえるようになってきました。
そして……私は、基本的に月2回のレッスンなので、今年(2011年)になってからは、1回のレッスンでインベンションを1曲、マルもらっている事になります。 (合格基準は、相当に甘いのですが。あと、5番に手間取ったのは大震災でモチベーションが上がらなかったせいもあります。)
残りはあと2曲。 2曲とも、譜読みは終わって、弾き込みを始めています。
おそらく、今年の春……遅くとも夏にはインベンションを終えてシンフォニアに入れそうです。
多分、私、★★★中級の壁を越えつつあります。★★★
●中級の壁の長いトンネル
壁を超えるために一番大切なのは、現実的な時間で壁を越えられる「希望」だと書きました。 そして、「成功事例が必要」だとも書きました。 (ピアノ中級の壁(3))
上の表が、その成功事例になっているかどうか分かりませんが、ゼロから始めた大人(中高年)が、曲がりなりにも中級(中級前半)レベルの教本をクリアした、という一つのサンプルです。
あと、エラソーな事を書いているので、わたくし坂上酔狂のことを「ピアノがけっこう上手いんじゃないかと」思っている人が……まあ、いないと思いますが……もし万が一いたら、安心してください。下手です。
じゃあ、何でエラソーな事を書くのかというと、下手は下手なりに何とかピアノを辞めずに続けて来られたので、その記録のためと、中高年でゼロから始めた方の考えるヒントになれば、と思って書いているのです。
●中級の壁の「向こう側」
中級の壁の長いトンネルを抜けると雪国であった。(んなワケ、ない)
寒いオヤジギャグはさておき、私が長々と書いてきた「中級の壁」というのは、正確には、「中級の入り口段階にある壁」の事です。 けっして、「中級の壁」の次が「上級」なワケではありません。(笑)
中級の壁を超えて、やっと普通の中級になるのです。
遥か彼方に雪をかぶった上級の山々がかすかに見えますが、そんな遠くを見る前に、やる事はたくさんあります。
まず、スピードと正確性。
「読譜力強化」を優先するために、あえて「スピードと正確性」を犠牲にしました。 教本で言うと、ツェルニー系の練習をやりませんでした。
ツェルニーに関しては否定的なことも書きましたが(ツェルニー30番の罠)、ツェルニーを全否定しているのではなく、「読譜力がボトルネックの場合には効果が薄い」という事が言いたかったのです。状況が変わってきた以上、ツェルニー系の練習を再検討する時期が近いです。
次に和音。
インベンションは「左右それぞれ一度に一音」が基本です。 だからこそ、読譜のトレーニングにほどよい難易度なのです。 和音は、ほぼまったくと言ってよいくらい、出てきません。
そんなわけで、和音が出てくると、途端に読譜スピードが大幅ダウンです。 ロマン派や近現代の曲をもっと練習しないといけません。
そして、脱力。
我ながら、まだ無駄な力の塊です。 少し長く弾いていると、だんだんと疲れてきて、止まったり間違えたりしてしまいます。 上の「スピードと正確性」のためにも、もう少し脱力した弾き方をマスターしなければなりません。
しかし、これからどんな練習をするにせよ、読譜力が付いてきた事が大いに助けになっています。
まだまだ、ピアノの旅は続きます。
●ここ数ヶ月の変化
私にとって、一番欠けていた基礎力は、読譜力でした。 これが、中級の壁のボトルネックでした。
ところが、去年(2010年)の秋ごろから、自分の読譜力が目だって改善してきている実感が沸いてきました。
それまでは、「楽譜が読める」といっても、「次に弾く音を読む」という「一音限定読譜」の状態だったのが、数音ですが「先読み読譜」ができるようになってきました。
すると、手元の鍵盤をあまり見ずに「楽譜を見ながら弾く」ことができるようになってきました。
私の場合は、この事が、様々な基礎力不足の足の引っ張り合いである基礎力不足トライアングルを打破するきっかけになったようです。
一度、「楽譜を見ながら弾く」ことができるようになると、それまでの暗譜頼みの状態に比べて、練習の効率が目に見えて改善します。 「基礎力『不足』トライアングル」は、逆の見方をすれば、「基礎力『強化』トライアングル」です。 ボトルネックであった読譜力が強化され、一度、好い循環が動き出せば、長い停滞から脱却できます。
明らかに、質的変化が生じた、と言ってよいと思います。
●インベンションの記録
その傍証として、最近の結果も含めて、インベンションのマルの表を下に示します。
順番 | 曲名 | マルの日 | 期間 |
1曲目 | インベンション1番 | 2008年7月23日 | 7.1ヶ月 |
2曲目 | インベンション4番 | 2009年2月26日 | 7.3ヶ月 |
3曲目 | インベンション8番 | 2009年12月9日 | 9.5ヶ月 |
4曲目 | インベンション13番 | 2010年2月18日 | 2.4ヶ月 |
5曲目 | インベンション10番 | 2010年5月12日 | 2.8ヶ月 |
6曲目 | インベンション7番 | 2010年7月21日 | 2.3ヶ月 |
7曲目 | インベンション3番 | 2010年8月25日 | 1.2ヶ月 |
8曲目 | インベンション15番 | 2010年12月8日 | 3.5ヶ月 |
9曲目 | インベンション14番 | 2011年1月19日 | 1.4ヶ月 |
10曲目 | インベンション12番 | 2011年2月9日 | 0.7ヶ月 |
11曲目 | インベンション11番 | 2011年2月23日 | 0.5ヶ月 |
12曲目 | インベンション5番 | 2011年4月13日 | 1.6ヶ月 |
13曲目 | インベンション2番 | 2011年4月27日 | 0.5ヶ月 |
14曲目 | インベンション6番 | 練習中 | |
15曲目 | インベンション9番 | 練習中 |
最初は、なんと、2年で3曲。 たった6ページの楽譜に、それだけの時間がかかりました。 中級の壁に突入した時期です。
しかし、その後、ペースが上がっていきます。
当然、難易度の低い曲からやっているのですが、一曲をこなす時間が短縮していきます。 2010年になると、おおむね2か月強でマルがもらえるようになってきました。
そして……私は、基本的に月2回のレッスンなので、今年(2011年)になってからは、1回のレッスンでインベンションを1曲、マルもらっている事になります。 (合格基準は、相当に甘いのですが。あと、5番に手間取ったのは大震災でモチベーションが上がらなかったせいもあります。)
残りはあと2曲。 2曲とも、譜読みは終わって、弾き込みを始めています。
おそらく、今年の春……遅くとも夏にはインベンションを終えてシンフォニアに入れそうです。
多分、私、★★★中級の壁を越えつつあります。★★★
●中級の壁の長いトンネル
壁を超えるために一番大切なのは、現実的な時間で壁を越えられる「希望」だと書きました。 そして、「成功事例が必要」だとも書きました。 (ピアノ中級の壁(3))
上の表が、その成功事例になっているかどうか分かりませんが、ゼロから始めた大人(中高年)が、曲がりなりにも中級(中級前半)レベルの教本をクリアした、という一つのサンプルです。
あと、エラソーな事を書いているので、わたくし坂上酔狂のことを「ピアノがけっこう上手いんじゃないかと」思っている人が……まあ、いないと思いますが……もし万が一いたら、安心してください。下手です。
じゃあ、何でエラソーな事を書くのかというと、下手は下手なりに何とかピアノを辞めずに続けて来られたので、その記録のためと、中高年でゼロから始めた方の考えるヒントになれば、と思って書いているのです。
●中級の壁の「向こう側」
中級の壁の長いトンネルを抜けると雪国であった。(んなワケ、ない)
寒いオヤジギャグはさておき、私が長々と書いてきた「中級の壁」というのは、正確には、「中級の入り口段階にある壁」の事です。 けっして、「中級の壁」の次が「上級」なワケではありません。(笑)
中級の壁を超えて、やっと普通の中級になるのです。
遥か彼方に雪をかぶった上級の山々がかすかに見えますが、そんな遠くを見る前に、やる事はたくさんあります。
まず、スピードと正確性。
「読譜力強化」を優先するために、あえて「スピードと正確性」を犠牲にしました。 教本で言うと、ツェルニー系の練習をやりませんでした。
ツェルニーに関しては否定的なことも書きましたが(ツェルニー30番の罠)、ツェルニーを全否定しているのではなく、「読譜力がボトルネックの場合には効果が薄い」という事が言いたかったのです。状況が変わってきた以上、ツェルニー系の練習を再検討する時期が近いです。
次に和音。
インベンションは「左右それぞれ一度に一音」が基本です。 だからこそ、読譜のトレーニングにほどよい難易度なのです。 和音は、ほぼまったくと言ってよいくらい、出てきません。
そんなわけで、和音が出てくると、途端に読譜スピードが大幅ダウンです。 ロマン派や近現代の曲をもっと練習しないといけません。
そして、脱力。
我ながら、まだ無駄な力の塊です。 少し長く弾いていると、だんだんと疲れてきて、止まったり間違えたりしてしまいます。 上の「スピードと正確性」のためにも、もう少し脱力した弾き方をマスターしなければなりません。
しかし、これからどんな練習をするにせよ、読譜力が付いてきた事が大いに助けになっています。
まだまだ、ピアノの旅は続きます。
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