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2011.07.09 Saturday

6 ピアノ選び:電子ピアノ編(大人のピアノの始め方)

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    ●ピアノは必要です

    ピアノを弾くためには、ピアノが必要です。 たくさん練習しないといけませんから、自宅にピアノは必須です。

    とは言っても、いちばん安い電子ピアノで数万円はしますから、そう簡単に準備できるものではありません。

    どうすればよいのでしょう?

    ●電子ピアノの最低条件

    いちおう、初級終了レベル程度まで使えるピアノを考えてみます。

    もちろん、本物のピアノ(アコースティックピアノ)が買えれば良いのですが、現実問題として、電子ピアノから選ぶ場合も多いでしょう。

    そこで今回は、私が考える電子ピアノの最低条件を書いてみたいと思います。

    ちなみに、私は、数機種だけですが、電子ピアノをかなり長時間弾いた事があります。 あとは、カタログ知識と楽器店の店頭でポロポロ触った程度です。

    その程度の知識と経験で電子ピアノについて語るのは適切ではないかもしれませんが、まあ、あくまでも参考程度、ということでお読みください。

    さて、その電子ピアノの最低条件とは、次の通りです。
    1. 鍵盤の幅が本物のピアノと同じ
    2. 88鍵
    3. まともなピアノタッチ(タッチレスポンス)
    4. 3本ペダル(ハーフペダル対応)
    5. 据置型(頑丈なスタンドがある)
    6. 高低自在椅子
    2011年現在、市販されている電子ピアノの多くは、ほぼこの条件を満たしているように思えます。 (廉価版電子ピアノの場合は、高低自在椅子だけは別途購入する必要があるかもしれません。)

    以下、この条件の各項目について、少し詳しく述べてみたいと思います。

    ●鍵盤の幅が本物のピアノと同じ

    世の中には、「ピアノらしきもの(?)」が存在します。 例えば、(鍵盤楽器の)キーボード、シンセサイザー、オモチャのピアノ、エレクトーン、などです。

    これらは、ピアノの代用品として使えるのでしょうか?

    結論から言うと、本格的にピアノを弾こうと思うなら、ダメです。 タッチや構造が本物のピアノと違いすぎます。

    しかし、「すでに、こういった『ピアノらしきもの』が家にある。続けられそうなら本格的なピアノを買うけど、それまでの代用品にしたい」程度であれば、使える可能性があります。 (新たに買う事はありませんけど……笑)

    ポイントは、鍵盤の幅です。

    実は、日本のピアノに関しては、JIS(日本工業規格)でそのサイズやメカニズムが詳細に規定されています。 例えば、次のページで「ピアノ」というキーワードを入れて検索すると、ピアノに関する規格がいくつか出てきます。

    日本工業標準調査会:データベース検索-JIS検索

    規格番号 規格名称
    JIS G3502 ピアノ線材
    JIS G3522 ピアノ線
    JIS S8507 ピアノ
    JIS S8508 ピアノアクション

    このうち、ピアノの形状を決めているのが、「JIS S8507」です。

    これによると、ピアノの88個の鍵盤の端から端までの幅が、1220mmから1230mmと規定されています。 88鍵のうち、白鍵は52鍵ありますから、白鍵一つの幅は約23.46mm〜23.65mm、オクターブで約164.23mm〜165.58mm(中央値で164.90mm……ざっくり言って165mm)となります。

    もし、手持ちの「ピアノらしきもの」があるなら、そのオクターブ(ドからド、同じ形をした鍵盤の左端から左端まで、7個分の幅)を測ってみてください。

    これが、ほぼ165mmになっていれば大丈夫です。 とりあえず、ピアノの代用品として使えます。 (ただし、あくまでも導入初期ぐらまで、です。)

    逆に、165mmから大幅にずれているようだと問題です。 誤った鍵盤感覚が身についてしまう恐れがあります。 ヘンな癖が付くと、後で矯正するのは大変です。 こういった鍵盤では、練習しない方がよいかもしれません。



    ●88鍵

    ピアノには鍵盤が88個あります。

    ところが、キーボードだと61鍵や76鍵のように鍵盤の数が少ないものが多数派です。

    でも、61鍵だと、例えば、「エリーゼのために」が鍵盤が足らなくて弾けません。 76鍵でも、ロマン派以降の曲では弾けない曲が出てきます。

    やはり、88個の鍵盤が必要です。

    ●まともなピアノタッチ(タッチレスポンス)

    タッチレスポンスとは、鍵盤を押す速さ(強さ、ではない)によって、音の強弱をつける仕組みのことです。

    これが、できるだけ本物のピアノに近い事が必要です。

    強弱がつかない鍵盤で練習すると、当たり前ですけど、強弱を制御するスキルが身に付きません。 そもそもピアノとは、「クラヴィチェンバロ・コル・ピアノ・エ・フォルテ」、すなわち、弱い音(ピアノ)も強い音(フォルテ)もだせる楽器なのです。

    ここは各社とも力を入れている部分で、カタログを見ると「グランドピアノに迫るタッチ」などと宣伝しています。

    まあ、現実は「値段相応」なので、店頭でいろいろ試してみて、まあまあな感じのものを選ぶしかありません。

    気をつけないといけないのは、(2000年あたりより前の)古い中古機種です。 「強弱がつきゃあ、いいんでしょ!」みたいなモノがあるので、やめた方が無難です。

    蛇足ですが、鍵盤を押す強さ(速さ、ではない)によって、音の強弱をつける仕組みもあります。 アフタータッチといいます。 これはピアノには無い機能です。

    ●3本ペダル(ハーフペダル対応)

    未経験者だとご存じない場合も多いと思いますが、ペダルはピアノ演奏にとって、とても重要です。 ペダルが無いのは、ピアノじゃありません。

    特に三本のペダルの一番右のペダル(ダンパーペダル)は、ピアノ導入レベルが終わる頃からどんどん使うはずです。 人によっては、初級半ばから左ペダル(シフトorソフトペダル)も使いだします。

    ちなみに、中央ペダルはアップライトピアノ(マフラーペダル/音を小さくする)とグランドピアノ(ソスティヌートペダル/特定の音をのばす)で機能が違います。 ソスティヌートペダルは、使用頻度が低く、中級ぐらいまではほとんど使いません。

    それから、ペダルの踏み込み具合によって微妙に音色に変化をつけるテクニック(ハーフペダル)も大切です。 廉価機種だと、このハーフペダルに非対応で、ペダルが単純なON/OFFスイッチになっているものがあります。 ペダルの踏み方が雑になるので、こういった機種は避けた方がよいと思います。

    ●据置型(頑丈なスタンドがある)

    ポータブル式の鍵盤部分だけの機種もあります。

    これは、使わないときにはしまっておけるので一見便利そうですが、ピアノを弾くための正しい演奏姿勢がとりにくいですし、ペダルが無い(あるいは、ペダルがあってもキチンと固定できない)ので、お勧めできません。

    また、あまりにフニャフニャしたスタンドだと、弾いていて不安定で、きわめて不快です。

    やはり、しっかりした据置型のものをお勧めします。

    ●高低自在椅子

    高さが調整できる椅子です。 正しい演奏姿勢をとるために必要です。 この高低自在椅子はかなり重要だと思ってください。

    廉価版の電子ピアノに付属の椅子は、高さ固定のものが多いので、注意してください。

    付属していない場合は、別途購入する必要があります。 単品で購入すると、けっこういい値段(数千円〜1万数千円)します。 購入時は、この高低自在椅子も含めて値段を検討してみてください。

    ●廉価帯のお勧め電子ピアノ

    以下、2011年7月現在の情報です。 (電子ピアノは電子製品であり、入れ替わりが激しいのでご注意ください。)

    まず、カタログ上では、ヤマハ(ARIUSシリーズ)、カシオ(Priviaシリーズ)、コルグといったメーカーの廉価機種(最安実売5〜6万円)でも上の「最低条件」を満たすものがあります。

    このうちPriviaには実際に長時間触ったこともありますが、「まあ、趣味程度なら使えるかな」という印象です。 ただし、正直言って、ちょっと華奢な感じです。 また、ペダルが、一応三本ついてますが、貧弱です。 (他社の同価格帯のものも五十歩百歩。)

    具体的な機種名等は、価格.comあたりで調べてみてください。 クチコミやレビューも参考になると思います。

    実物が見たければ、楽器店か、大手家電量販店に置いてあります。

    もう少し上の最安実売10万円弱から15万円程度の範囲に、各社の売れ筋商品が並びます。 ヤマハ、カシオ、コルグに加えて、カワイ、ローランドも選択肢に入ってきます。

    この価格帯になると、構造的にもしっかりしたものが多くなりますし、選択肢も増えます。 高低自在椅子が付属の機種も増えてきます。

    以上まとめてみると、予算が厳しければ最安実売5〜6万円の廉価機種、余裕があればもう1〜2ランク上の機種を買ってみて、ピアノが続きそうで、なおかつ性能に不満が出てきたら本格的なピアノに買い直す、というのが現実的な路線かもしれません。

    あと、しつこいですが、高低自在椅子をお忘れなきように。 予算を考える時は、高低自在椅子も含めて考えてください。

    ●上位機種のお勧め電子ピアノ

    ここまでは、「安価な機種」の話でした。

    しかし、本物のピアノ(アコースティックピアノ)が防音や重量等の制約で置けない。 だから最初から電子ピアノの上位機種を買う、という選択もあり得ます。

    その場合は、ヤマハ、カワイ、ローランドの上位機種が狙い目です。

    人気が高いカワイ最上位の木製鍵盤機種は、確かに頭一つ抜きんでた感じがします。 20万円から30万円出せるなら、わたし、これ買います。

    さらに予算があるのなら、ヤマハから出ている「本物のピアノのアクション(鍵盤機構)と電子音源を組み合わせた機種(ハイブリッドピアノ)」も魅力的です。

    特にアバングランドは、すごそうです。 安物のアコースティックピアノより、はるかにいいかもしれません。 (すみません。実物には一瞬しか触ったこと、ありません。 あ、それと、値段の方も、安物のアコースティックピアノより、高いです。笑)

    今回は、このあたりで……。
    コメント
    どもです♪
    電子ピアノで始めて、今、やっと生ピアノを物色中の私です(ワクワク)!!
    最初から生ピアノじゃなきゃー、と言われると、ハードルが上がっちゃって手をつける事ができなかったと思います。

    椅子が重要なんですね!
    私は余り意識してなかったです(正直姿勢はかなり悪いです(^^ゞ)

    ちゃんとした椅子も買いますです(^^♪
    • kassii3
    • 2011.07.09 Saturday 16:03
    kassii3様、こんにちは。

    関東地方はきのう梅雨明け、カンカンに暑かったですね。思わずビール(予算の都合で発泡酒)をグイグイやってしまいました。

    椅子、意外と大事だと思いますよ。私も最初の頃は、椅子を上げたり下げたり、前にやったり後ろにやったり、かなり試行錯誤しました。特に、曲のレベルが上がってきて、音域が広くなり、同時に左右両方のペダルを使いだすと、不安定な姿勢だとうまく弾けません。お尻が安定し、なおかつ上半身が左右に動きやすく、手首の位置が高すぎず低すぎずというポジションを見つけないといけません。これがなかなか、やっかいです。

    生ピアノを検討中なのですね。ピアノをやっていて最も楽しい時間の一つだと思います。そう簡単に買い換えられるものではないので、じっくり検討する……そのプロセスそのものがまた楽しいんですよね。

    私の記事ですが、次回は、ピアノ選びの後半にしようと思いますが、生ピアノについては大した事は書けないので、また、重箱の隅をつついて屁理屈を述べようかと思っています。(笑)


    • 坂上酔狂
    • 2011.07.10 Sunday 08:47
    こんにちは。梅雨あけしましたね。
     湿度に弱いピアノ・何とか今年も無事、乗り切りました。
     ウチの生ピアノはダンナが子供のころに買ってもらったヤマハのU1というのもです。主人の親いわく「当時100万円で」購入されたとのこと。20年以上放置された後、子供たちのためにリフレッシュしてよみがえってます。調律師さんいわく、あと20年はもつとのこと(笑)

     電子ピアノもあります。ヤマハのP-155というのです。先生が同じ機種を持っているので単純に同じものを購入しました。(10万円ポッキリ)2台のピアノソナタのときはこれで先生の演奏を録音してもらい、メモリをもらって、家で2台気分で練習します。デジタルピアノはこういうところが便利ですね。ただし、鍵盤が軽いのでこれで練習するのは深夜のみです。

     遅くなりましたが、インベンション終了おめでとうございます!
     バッハ先生は私は苦手〜。しかも、3声にチャレンジされるのですよね。尊敬です。
    • のだめファン
    • 2011.07.11 Monday 18:08
    のだめファン様
    こんにちは、毎日、暑いですね。

    > 遅くなりましたが、インベンション終了おめでとうございます!
    ありがとうございます。下手でもしつこくやれば何とかなるという見本です。(笑)

    話が前後しますが、ヤマハのU1が100万円ですか・・・。当時の貨幣価値を考えると、ものすごく高価な買い物だったんですね。最近だと、アコースティックピアノでもヤマハのbシリーズ(インドネシア製)が30万円台という衝撃価格で出ていますし、電子ピアノは本文でも書いたように10万を切る価格でまあまあなものが出ています。いい時代になったんですね。

    そうそう、バッハ+電子ピアノでおもしろいのは、音色をパイプオルガンとか、ハープシコドとかにして演奏してみることです。ピアノだと分かりにくかったアーティキュレーションの意味が、すごくよく分かります。意外な盲点のオススメは、ストリングス(弦楽器系)の音色です。これで弾いてみると、ピアノと全く違った世界が広がってきます。電子ピアノならではの楽しみ方&練習法です。

    • 坂上酔狂
    • 2011.07.12 Tuesday 08:28
    こんにちは♪
    先日はお世話になり、ありがとうございました!

    何ともビックリです\(^-^)/
    目次を拝見していたら、「ピアノ力」なるタイトルを発見!
    さらに「私の大お師匠様」とあるではないですか!!

    実は、今日の体験レッスンは、角聖子先生のレッスンなんです(^o^)v
    市ヶ谷の音楽院へ、仕事が終わったら向かいます。

    こんな偶然の巡り合わせもあるんですね、何か嬉しくなりました(^-^)
    いつかお目にかかるのを、楽しみにしています。

    これからも、どうぞよろしくお願いいたしますm(__)m

    #昔の日記でコメント欄がなかったため、こちらへ載せました。

    Papi
    • papi
    • 2011.07.19 Tuesday 12:23
    Papi様

    角先生のところに体験レッスンに行かれるとのこと、私も、びっくりです。世間は狭いですね。

    角先生、直々のレッスンだったんですね。先生のBlogに「最近、大人の入会者が多い」と書いてあったので、きっとPapi様もそのお一人だったのだと思います。

    角聖子音楽院は、クリスマス前後に大人の生徒さんの発表会、春と秋に勉強会形式の発表会、父の日前後にお父さんの発表会(今年は角先生のコンサート+代表のお父さんによる公開レッスン)、等々、たぶん他の教室に比べて生徒の相互交流の機会が多いので、Papi様が教室にご入会なされたようなら、お目にかかるチャンスもきっとあると思います。

    角先生、もう、あのまんま(?)のオープンで明るい方なので、きっと体験レッスンも楽しかったんだろうな、と勝手に想像しています。

    またコメントなどお寄せください。よろしくお願います。

    • 坂上酔狂
    • 2011.07.20 Wednesday 13:16
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