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2011.07.30 Saturday

7 ピアノ選び:アコースティックピアノ編&電子ピアノの限界(大人のピアノの始め方)

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    ●ピアノ選び:アコースティックピアノ編

    前回は、「電子ピアノ選び」について書いてみました。

    順番からいくと、アコースティック・ピアノ選びになるのですが、私には、どのメーカーや機種がいいとか悪いとか言うための十分な知識や経験がありません。 (アコースティック・ピアノとは、本物のピアノのことです。acoustic は「電気的な機器・装置を使わない」という意味。)

    期待していた人(←いないよね)、すみません。

    まあ、一般論ですが、
    1. もし、グランドピアノが買えるなら、グランドピアノがベスト。
    2. アップライトピアノが買えるなら、それが次点。
    3. メーカーは、ヤマハかカワイ。 マイナーブランドにも魅力的なピアノはあるが、素人はこの二つから選ぶのが無難。
    4. 普及グレードから最上級グレードまで価格に幅がある。 やはり、高いものはそれなりに良い。
    5. 直営店や正規代理店で新品を買うのが無難。 中古品や激安店には、それなりのリスクがある。
    6. 夜間の音出しが厳しいなら、メーカー純正の消音ピアノがある(ヤマハだとサイレントピアノ、カワイだとANYTIME X)。 けっこう使える。 (他社製の後付け消音ユニットについては、よく分かりません)
    といったところでしょうか?

    それから、ピアノの値段の感覚というのが、未経験者にはイマイチ分かりません。

    ピアノの値段は、実は、クルマと似ているのです。 例によって、イイカゲンな表にまとめてみました。 (一般家庭に置けそうなサイズでの比較です。)

    価格帯クルマで言うとピアノの場合
    500万〜1000万超高級輸入車ピアノの王様スタインウェイをはじめとする海外高級ブランドのグランドピアノ
    250万〜500万国産高級車国産最上位機種のグランドピアノ(ヤマハのSシリーズ、カワイのSKシリーズなど)
    200万〜250万ちょっといい普通車国産上位版のグランドピアノ
    150万前後〜200万廉価版普通車国産普及版のグランドピアノ
    110万〜120万前後コンパクト車コンパクトグランド(ベビーグランド)
    80万〜100万ちょっとちょっといい軽自動車アップライトピアノの上位版
    50万〜80万廉価版軽自動車アップライトピアノの普及版
    40万〜50万?激安アップライト(ヤマハのbシリーズ)


    無理やり作った表のような気もしますが、まあ、そう大きくは外してないと思います。

    いちおう、普通車=グランドピアノ、軽自動車=アップライトピアノという連想です。 道路を走る、という点では普通車も軽自動車も同じですが、やはり性能的な断絶はあります。 グランドピアノとアップライトピアノの違いに通じるものがあると思います。

    とはいえ、そもそもクルマの値段の感覚が分からない人にとっては、無意味な表ですよね。 はい、そのとおりです。すみません。

    以上で、「ピアノ選び:アコースティックピアノ編」はおしまいです。 内容が薄くてすみません。

    さて、これで終わってしまってはツマラナイので、例によって、「重箱の隅」モードに突入です。

    ●電子ピアノじゃ、ダメなんでしょうか?

    素朴な疑問です。

    電子ピアノじゃ、ダメなんでしょうか?

    ネットを探すと、「やっぱり本物にはかなわない」という趣旨の記事がたくさんあります。 私も、最初はそう思っていました。

    確かに、10年前(2000年頃)なら、そのとおりだったでしょう。

    しかし、技術革新の結果、電子ピアノの性能は大きく向上しています。 今はどうなんでしょうか?

    電子ピアノに否定的な記事を読むと、全部ではありませんが、実際には最新の電子ピアノ(の上位機種)を弾いておらず、単なる思い込みや不確かな伝聞でそう言っているように思えるケースも多いです。

    また、ピアノの先生の意見で、電子ピアノで練習している人がうまく弾けない例があることから、すべての電子ピアノはダメであるという結論に至っている場合があります。 しかし、その電子ピアノが、どこのメーカーのいつの機種なのか、激安粗悪品なのか、最上位機種なのか、確認しているようには思えません。

    いずれにしても、「電子ピアノ」というただ一種類の楽器があるのではなく、明らかに性能の低い安価な機種から、本物のピアノのアクションと電子音源を組み合わせた機種(いわゆる消音ピアノもこの範疇に入る)、そこまでいかないまでも木製鍵盤を採用して本物のピアノにタッチを近づけた機種、デジタル技術を駆使してピアノの音響をシミュレートした機種など、幅があります。

    きちんと「検証」した意見を聞きたいものです。

    ●ピアノから出る音と、その制御

    さて、例によって自分でも「屁理屈」を考えてみます。

    あの、あくまでも、「屁理屈」ですからね。 飲み屋で酔っぱらってテキトーな事を言っているレベルですから、そのつもりでお願いします。

    ええと、それでだ……、大切なのは、ピアノを制御する事です。

    ピアノの音は、鍵盤を押し下げる途中でハンマーが押し出され、これが弦に当たって発生します。 したがって、ピアノの音の大小は、ハンマーが押し出される瞬間の鍵盤のスピードに支配されます。 この点では、ネコが弾こうが超一流のピアニストが弾こうが、変わりはありません。

    しかし、ピアノの音に影響を与えるのは、これだけではありません。

    まず、アクション(鍵盤機構)がかなり盛大に音を出します。 特に、鍵盤がピアノ本体(棚板)に当たった時に、カツンという音が出ます(下部雑音)。 これは、消音ピアノでヘッドホンを外してみると良くわかります。 初心者は無駄に力が入っているので、この音が大きいはずです。 あえて、この下部雑音を使って、ピアノをカスタネット的(?)に使うテクニックもあると思います。

    鍵盤を連打する場合は、鍵盤の戻りを制御しないといけません。 逆に音を保持する場合は、鍵盤を抑える力を制御しないといけません。 これらがうまく制御できないと、「次の打鍵」に悪影響を与えます。

    この鍵盤の制御が「脱力」の大きなポイトンだと思います。

    それから、へダルの微妙な上げ下げも音色に影響します。 ハーフペダルというテクニックです。

    ●ピアノからフィードバックされる情報

    演奏者は、こういった制御を実施するために、ピアノからフィードバックされる様々な情報を利用しているはずです。

    まず、ピアノから出る音そのもの。

    弾いている音だけではなく、共鳴を起こしている他の弦の音もあります。 もちろん、上に述べたようなアクションの音も聞こえているはずです。 濁った音、硬い音など認識されると思います。

    それから、指先で感じる鍵盤の重さ。 鍵盤が棚板に当たった時の反動。 鍵盤が上に戻ろうとする力。

    音ではなく、指先で感じるピアノの振動。

    足で感じるペダルの重みや反動。

    上級者になればなるほど、こういった情報を(もしかしたら半ば無意識に)利用しているはずです。

    そして、電子ピアノ(特に安い機種)がまずいのは、このようなピアノからフィードバックされる様々な情報が、限られてしまう点、本物のピアノと違いすぎる点です。

    逆に、電子ピアノでも、本物のピアノとほぼ同等の情報がフィードバックされるなら、それで構わない、という事になります。

    ●電子ピアノの限界の一例

    上で、「弾いている音だけではなく、共鳴を起こしている他の弦の音もあります」と書きましたが、これは、本物のピアノがあれば簡単に確認できます。

    まず、右手で、音を出さないよう、そっとドを押さえます。 (オクターブが届くなら、ドを二か所押さえてもいいです。)

    そして、左手で低い方のドを弾いて、すぐに離します。

    鍵盤を離すと、フェルトが弦に押し付けられて音が消えます。

    しかし、アコースティックピアノでは無音にはなりません。 音が鳴り続けます。

    高音側のドの弦が倍音による共鳴を起こして、鳴っているのです。

    (右手を、ドではなてくソにしても、やはり共鳴音が聞こえます。 実は、ドとソの音の関係は「完全5度」と呼ばれますが、これは周波数比が2:3という比較的単純な整数比になっているため、倍音による共鳴が起こりやすいのです。)

    残念ながら、普通の電子ピアノではこの現象は再現できません。 私の持っているヤマハのサイレントピアノも再現できませんでした。 (ローランドのV-Piano GRANDあたりだと、この辺もシミュレートしているのでしょうか?)

    これが、現状の電子ピアノの限界の一つです。

    もちろん、このような共鳴音を明確に意識するケースは少ないかもしれませんが、電子ピアノとアコースティックピアノの「響きの豊かさの違い」となって認識されているのだと思います。

    他にも、ピアノのアクションの持つ感触を普通の電子ピアノで再現するのは、けっこう大変なはずです。 単にハンマーを送り出す時のクリック感(エスケープメント)を再現するだけではダメで、重さの感触の変化(正確には慣性モーメントの変化)、鍵盤が棚板に衝突した時の弾性反発の感触やその時に生じる音などを「本物」と同じようにするのは、けっこう難しいと思います。

    ただし、消音ピアノや本物のピアノのアクションを使った機種なら、アクションの感覚の再現はかなり有利になります。

    いずれにしても、現状の電子ピアノには、たとえ最上位機種であっても、一定の限界が存在する、と考えてよいと思います。

    ●電子ピアノの限界は問題なのか?

    さて、ここまでお読みになった方の中には、「ずいぶん微妙な話だな。でも、そこまでこだわる必要があるの?」と思った方も多いと思います。

    実際その通りで、少なくとも大人の趣味のピアノで、上に書いた「他の弦の共鳴」とか「アクションの感覚」とかが演奏上の問題になるレベルにまで到達するのは、相当にまれなことではないかと思います。

    個人的な例にすぎませんが、私は練習の大半をヤマハのサイレントピアノを消音モードで弾いていますが、それで、教室のグランドピアノでのレッスンの時に違和感を感じて困った、ということはまったくありません。

    私見ですが、各社の消音ピアノを含めた電子ピアノの上位機種は、「ピアノを制御する」という点に関して、既に(大人の趣味レベルの)演奏者に十分な情報をフィードバックできるレベルに達しつつあるのではないか、と思います。

    もうちょっと分かりやすく書くと、「電子ピアノだから上達できないという事はない」、という事です。

    -- * --

    あ、でも、本物のピアノ、特にグランドピアノを弾くと、やっぱり気分イイです。 気分イイのは、上達のモチベーション維持にたいへん有効です。 それに、上級レベルぐらいになると、やはり本物のピアノでないとうまく練習できない場合も増えてくると思います。

    だから、予算と場所が許すなら、本物のアコースティクピアノの方が、やはり望ましい、という結論になるのでしょう。

    私も、本音を言うと、グランドピアノ、欲しいです。

    150万も出せば買えるので、買っちゃおうかな? でも、その前に置き場所が必要だよな? 広い防音室、欲しいな。 そのためには、一戸建ての家が要るな。そうだ、宝くじを買いに行こう。目指せ3億円! (←ただのバカ)
    コメント
    こんばんはです!
    今回も楽しく拝読しました(^O^)

    車との比較、私も考えていました。プレイエルを弾かせてもらった事があったのですが、仮免許なのにフェラーリ乗ってどうすんの、って感じでしたが(笑)

    電子ピアノの件も、すごく納得です。
    もし、電子ピアノでは決定的に上達できない状態、というところまで行ければ、もう相当上達しているんじゃないかと思います。

    まあ、グランドピアノをオープンにして響かすことが出来るなら気持ちは良いですが(^^ゞ

    最後のところ私も夢想しますが、どうせなら防音室じゃなくて、周りに一軒もない、大草原の家で、窓を開けて、グランドもオープンにして一日中ピアノを弾ける状態(もちろん仕事なんかしません)を夢想しましょう(@^^)/~~~

    • kassii3
    • 2011.07.30 Saturday 21:28
    kassii3様、こんにちは。

    kassii3様のBlog見ました。アップライトピアノ、買われたんですよね。生ピアノデビュー、おめでとうございます。

    YU5SXGだと、アップライトでは一番背の高いクラスで、譜面台が高い位置にあって、音が譜面台の脇から抜けるタイプですよね。きっと、いい音で鳴るんだと思います。

    ああ、それから、グランドピアノ欲しい症候群は、不治の病です。ああ、でも、そう思っているうちは、ピアノに取り組むモチベーションもアップするので、いいのかもしれません。

    kassii3様も練習頑張ってくださいね。

    ああそれと、私も飲酒レータ・・・んじゃない、誤変換(^-^)、インシュレータ入れてますけど、椅子の下に厚手のマットひくと、まあまあな高さ調整になります。あと、椅子が滑ってギーコーギーコーいう音も防げます。
    • 坂上酔狂
    • 2011.07.31 Sunday 09:36
     こんにちは。
     アコースティックピアノ選び〉期待していた人(←いないよね)⇒期待してました〜。
    私の場合、色はマホガニーがいい!、足は猫足で、譜面台は長く広いのがいい・・・とか外見上の希望は多々あるのですが、ピアノの質とか音のよしあしとか全然無知なので〜。
    スタインウエイは別格としても、ヤマハとカワイでも競合機種があればまた、教えてください〜。

     グランドピアノ欲しい病は止まりませんよね。しかし、ウチの場合、仏間にピアノ置いちゃってるんで(笑)仮にグランドを買っても高級車を買ってガレージがない!状態。
     
     やはり、宝くじでしょうか?
     でも、中古のヤマハU1もがんばってくれているので、グランドピアノの夢をみつつ練習に励みます。田舎の一軒やなので、夜中の9時くらいまで窓を開けて弾いていても苦情が来ないのが救いです(^0^)
     
     ところで、以前に紹介してくださっていたIT活用術でwindows media player を使って
    CDの演奏をゆっくりペースで聴くことができました!ありがとうございます。ちなみにゆっくりで聞いたのはモーツアルト2台のピアノのためのソナタ3楽章です(1年かかってやっとたどり着きました)。

     電子ピアノのストリングスで弾いてみるのも試してみました。すっごくイイ感じです!
     今後もためになる情報をお待ちしています。
    • のだめファン
    • 2011.08.02 Tuesday 18:00
    のだめファン様、こんにちは。いつもコメントありがとうございます。

    >  アコースティックピアノ選び〉期待していた人(←いないよね)⇒期待してました〜。
    内容、ご期待に添えなくて、すみません。(^^;)

    実は、ネット上に「これがいい、あれはダメ」とかいろいろ情報があって、それを参考に下書きはしたのですが、いわば「裏が取れていない伝聞情報」を垂れ流しにしても仕方がないと思って、書くのをやめました。

    電子ピアノの方は規格化された工業製品であり、ある程度は性能の推定ができます。しかし本物のピアノの方は、特に上位機種になればなるほど、一品生産の手工業品の性格が強くなり、個体差も大きくなる思うので、それを評価するのが素人には難しいと感じるのです。

    私は、ピアノを始める時に無謀にも中古のアップライトピアノを買いましたが(そして、Blogの過去記事にも書いてあるように、ものの見事に失敗しましたが)、いま買うとすれば、一台一台じっくり試弾して吟味して買うと思います。(昔よりは多少はピアノの音やタッチについて分かってきたので・・・)

    将来、グランドピアノを買う事があれば、何か月もかけて「この一台」を探してみたいと思います。

    あ〜、でも、都会のマンション暮らしでは無理ですね。将来、郷里の田舎に引退生活でもすることになって、思う存分ピアノを弾ける環境になる時まで、妄想はとっておきます。(あ、それと、宝くじぃ〜 ^^)

    のだめファン様は、ピアノが気兼ねなく弾ける環境だそうで、うらやましいです。

    それから、ゆっくり演奏の裏ワザ(?)がお役に立てたようで、うれしいです。このやり方、ピアノの先生にも盲点なようで、以前あるピアノの先生に「なかなかオモシロイ」と感心された事があります。

    ただ、最近のWindows7に付属のメディアプレーヤーだと、この演奏速度の調整機能が「早、普通、遅」の三段階に限定されて、機能的にダウンしています。(はっきり言って、改悪)
    この機能が、将来なくなってしまう事が心配です。(でもきっと、その時になったら、フリーソフトなどで使えるものが出現すると思います。)

    ITとか、電子ピアノとか、伝統的なピアノ学習にはなかったものでも、けっこう役に立つ事はあるので、また何か思いついたらBlogで紹介してみたいと思います。
    • 坂上酔狂
    • 2011.08.03 Wednesday 08:15
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