ゼロからでもピアノは弾ける

趣味ではじめた大人のピアノの記録。2004年に45才でバイエルからスタートしてクラシックの原曲に挑戦中。消音ピアノの活用や練習のヒント、工夫など。気が付けばピアノ歴10年越えです、相変わらず、下手です。はぁ・・・(^^)
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「ラベリングが出来ない」とはどういう事なのか/ピアノは目で弾け
●このままでは弾けるようにならない

先日(3/15)は、私の所属する音楽院の発表会でした。例によって、ボロボロ。

最近、このままではいくら練習しても、弾けるようにならない−−練習の方法を根本的に見直す必要があるのではないか、と思うようになってきました。

それはさておき、発表会の後で、ある方(ピアノの先生!)から、私が前回の記事で書いた「ラベリングが出来ない、という事が、いまひとつ分からない」という指摘を受けました。(音楽院では、わたくし酔狂の本名バレバレです・・・笑)

少々、こじつけ気味のたとえ話ですが、もう一度、説明してみたいと思います。

●「L」と「R」のゲーム

標準的な日本人(?)なら、英語の「L」と「R」の区別が苦手だと思います。(私も、そうです)

そこで、まず、下のようなボタンを用意ます。
 

次に、英語が母国語の方に、「Ro、Ri、Lo、Li、Ra、Li、Le〜」とか言ってもらい、対応するボタンを押すとします。

当然、標準的な日本人なら、正答率は約50%になるはずです。

なぜかと言うと、日本人には、「Ro、Ri、Lo、Li、Ra、Li、Le〜」が、「ロ、リ、ロ、リ、ラ、リ、レ〜」と聞こえるからです。「L」と「R」が別の音に聞こえません。したがって、左右どちらのボタンを押せばよいのか、分からないはずです。

一方、「a、i、u、e、o」は聞こえます。これは、日本語の母音の「あ、い、う、え、お」として聴き取れます。したがって、上下の行は、正しく選択できます。

だから、左右は分からないけど、上下は分かる。よって、正答率は50%です。

そこで、ちょっと無理がありますが、左右の「L」と「R」を音のラベル、すなわち、「ドレミ」だと、上下の「a、i、u、e、o」を音そのものの高さだと思ってください。

これがまさに、音は分かるけど、ドレミが分からない、「大人の初心者」の状態そのものなのです。

※縦と横の数が違うので、なんだかヘンですけど、細かい事は気にしないでください。要は、両方とも「音」なのだけど、聴き分けられる音とそうでない音がある、という事が書きたいのです。

●初心者でも音は分かるし、暗譜もできるし、歌える

「ロ、リ、ロ、リ、ラ、リ、レ〜」と聞こえた時点で、「音の高さ(=母音)」は正しく認識できています。

暗譜もできるはずです。

えっ! 覚えられないですか? じゃあ、曲のアナリーゼをしましょう。

「ロ、リ、ロ、リ、ラ、リ、レ〜」は、とっても「ロリっ子」な「ラリレーちゃん」の事なんだぜ! 「ロリ、ロリ、ラリレー、イェィ!」。さ、これで覚えましたね。(←お前は変態オヤヂか?!)

これで、暗譜できました。「ロリ、ロリ、ラリレー」と言えば、音の高さ(=母音)は合っていますから、正しく歌えている事になります。母音に関する音感はあるので、簡単です。

●しかし、場所のクソ暗記をしないと弾けない

音の高さも分かったし、暗譜もできました。

それでは、上のボタンを正しく押せますか?

押せないはずです。相変わらず、正解率50%。

音は分かっていても、ラベリング(「L」と「R」の区別=ドレミの区別)が出来ていません。「ロ」と言った時に、それが「Lo」なのか「Ro」なのか、まったく認識できまん。

だから正しいボタンは押せません。(ピアノなら、正しい鍵盤は押せません)

また、「ロリ、ロリ、ラリレー」とは言えますが、「L」と「R」を区別して発音できません。曲で言うなら、正しい「音程」では歌えますが、「ドレミ」では歌えません。(多くの日本人は、「L」と「R」が分かっていても、正しく発音できないと思います。例えば、lightとright。同じように、ドレミが「記号」として分かっていても、正しい「ドレミ」では歌えないのです。正しく歌えるのは、「ドレミ」ではなくて、「曲そのもの」を知っている場合です。)

では、この状態で、正しくボタンを押す(演奏する)ためには、どうしたらよいのか、というと、初期の段階では、ボタンの左右の順番をクソ暗記するしかありません。

「ロ、リ、ロ、リ、ラ、リ、レ〜」を、「右、右、左、右、左、左」とボタン(鍵盤)を押す順番として覚えるのです。覚え方は人それぞれ。視覚的に場所で覚えてもいいですし、お経(ドレミ般若心経?!)を唱えるように覚えてもいいです。

さあ、これでめでたくボタンが押せるようになりました。

これがすなわち、大人のピアノの初心者の演奏です。

●でも、これでは、弾けた事にならない

以上、半分冗談、ネタ話のようにも思えますが、大人の初心者がピアノを弾く状態は、本質的にこれと同じです。だから、けっこう本気でこの文章を書いています。

しかし、これでは、あまりにも脆弱。もし、左右の順を(鍵盤を押す順を)を必死に暗記したとしても、一度でもつかえたり、間違えたりすると、もう何だか分からなくなります。

現実の楽曲の場合は、ボタンは88鍵あります。曲の長さも少なくとも数百音符あります。これをクソ暗記で覚えても、あまりにも不安定ですし、その記憶を長期にわたって維持する事は、ほぼ不可能です。

これが、初心者が弾けない本質的な理由だと思います。

●では、どうしたらよいのか?

解決策は二つです。二つしか、ありません。

一つは「L」と「R」が瞬間的、直観的に区別できるようになる事です。

音楽で言えば、意識しなくても曲が自動的に「ドレミ」に聞こえるようになる事です。

前回の記事でいうと、「ドレミ・鍵盤位置ラベリング能力」を習得する、という事です。

これが出来れば、「Ro、Ri、Lo、Li、Ra、Li、Le〜」が、そのままちゃんと「Ro、Ri、Lo、Li、Ra、Li、Le〜」に聞こえるはずです。そして、聞こえた内容を暗譜すれば、自動的に正しい「L」と「R」のボタンを選択できます。

もう一つは、楽譜を読めるようになる事です。

「ロリ、ロリ、ラリレー」と暗譜できている状態(すなわち、音としては暗譜できている状態)で、次のような「楽譜」を用意ます。

【RR LL RLL-】

この「楽譜」を見ながら、ボタンを押すのです。楽譜を読む訓練はしんどいですが、リアルタイムで正しく「L」と「R」(記号としての「ドレミ」)を読み取る事ができれば、正しく演奏できます。

これが、前回の記事に書いた「リアルタイム読譜・運指力」を習得する、という事です。
 
【補足 2015/03/16 12:05】

ちょっぴり理系的に説明すると、ラベリング能力が無い人の場合、曲が「Xo、Xi、Xo、Xi、Xa、Xi、Xe〜」という形で頭に入っているのです。「o、i、o、a、i、e」すなわち音の高さ、曲そのものは暗譜していますが、ドレミが分からない「X」の状態です。

ここで、「RR LL RLL」という楽譜を読むと、「X」に、「L」、「R」が順次代入され、「Ro、Ri、Lo、Li、Ra、Li、Le〜」という「ドレミ」と「音そのもの」の組合せが再現されます。これを運指に変換するのです。この操作が、瞬間的に出来るようになりたいのです。

●分かって頂けたでしょうか?

今回の発表会では、3ページ中1ページ目は、楽譜を見てました。2ページ目に来た時に、一瞬、楽譜から視線が外れてしまいました。それで、その後は、ガタガタでした。

私は、「ドレミ・鍵盤位置ラベリング能力」を習得する事が出来ないみたいなので、まだしも見込みのある「リアルタイム読譜・運指力」を訓練するしかありません。

もちろん、実際のピアノ演奏では、初見以外は、ある程度まで指使いを暗譜します。

しかし、完全な暗譜は目指さずに、基本的には楽譜を見て、次の小節、次のフレーズのパターン、出だしの音や注意点のドレミなどを、楽譜からほぼ瞬間的に読み取れるように自分を鍛えるしか無いと思うのです。

また、「楽譜を見て弾く」と言っても、実際問題として、全く鍵盤を見ない「完全ブラインドタッチ」は多くの大人には無理です。要所要所で鍵盤をチラ見する「部分ブラインドタッチ」を練習するしかありません。

要するに、如何に「目を使うか」、言い換えれば、「読譜力の(超)高速化と、楽譜と鍵盤との間の視線移動のコツの習得」に、当分、全力でチャレンジしてみるしか無いな、と思っています。

※これが、「正しい練習法」かどうか、分かりません。その人のタイプにも依存すると思います。私の記事を参考になさる場合は、注意してください。

ピアノの先生は、「ピアノは耳で弾け」、「手首や腕や体全体で弾け」、「音楽を感じながら弾け」とおっしゃいます。もちろん、それはそれで当然なのですが、大人の初心者にとって、もしかしたら一番大切なのは、次の事です。

「ピアノは目で弾け」。

 
| 坂上酔狂 | 「大人のピアノ」私論 | 10:31 | comments(0) | trackbacks(0) | - | -









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