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2015.03.21 Saturday

大人のピアノの学習メソッド:ピアノは目で弾け

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    ●ノン・ラベリング型音感の大人

    下のような過去二回の記事で、「曲がドレミに聞こえない大人(ノン・ラベリング型音感の大人)」のピアノの練習方法について考えてみました。
    1. 大人がピアノを《普通》に弾くためには 2015/03/04
    2. 「ラベリングが出来ない」とはどういう事なのか/ピアノは目で弾け 2015/03/16
    読み返してみると、我ながら冗長で分かりにくい。そこで、内容を整理した下のようなメモを作って、先日のレッスンの時に師匠に読んでもらいました。(これでも長いけど・・・笑)

    ●学習メソッド「ビアノは目で弾け」
     
    坂上酔狂 2015年3月18日
    指使いの「覚え弾き」では限界がある
     →1曲しか、維持できない
     →不安定。ちょっとでも間違えたらおしまい
     →鍵盤凝視の演奏姿勢が最悪、自由に弾けない

    大人の初心者
     →楽譜がリアルタイム(インテンポ)で読めない/まったく読めない
     →だから、「覚え弾き」するしかない
     →1曲だけなら、弾けてしまう
     →しかし、いずれ限界を感じて辞めてしまう(おそらく13年以内)

    対処法は?
     →(1) ラベリング能力(曲がドレミに聞こえる能力)を鍛える事
     →(2) 読譜力、ブラインドタッチ力をつける事

    ラベリング能力があれば
     →曲をドレミの音の列として、頭の中で声を出して文章を読むように認識できる
     →「音のイメージ+運指」だけでなく「ドレミの音列」の補助情報が使える
     →暗譜が安定する。余裕が出てくる。スムースに弾けるようになる
     →ピアノの先生、子供の時にある程度やっていた方の大半はこのタイプと思われる
     →このタイプは、練習すれば、暗譜で何曲も弾けるようになる
     →指導/学習の初期段階で、このラベリング能力の素質があるか要チェック
       さもないと、(私のように)無駄な努力と時間を費やしてしまう

    ノン・ラベリング型の大人
     →どう頑張っても、曲がドレミに聞こえない
     →数十年に渡って、曲をドレミとして聞かない強化学習をしてしまっている
      (純粋に音として聞いている。ドレミとして曲を聞こう、などという発想は無かった)
     →今さらラベリング能力を付けるのは実質的に不可能(特に3040才台以上)
     →ラベリング能力の欠如を読譜力で代替するしかない

    ノン・ラベリング型の練習法(ピアノは目で弾け)
     →まず、読譜力を徹底的に鍛える
      (ここで音を上げた大人は、厳しい言い方ですが、結局、挫折する)
     →鍵盤を全く見ない完全ブラインドタッチは大人(中高年)には厳しい
      「チラ見はOK」の部分ブラインドタッチで妥協する
     →読譜力が付いてきたら、視線移動の訓練をする(←私はいまここ)
      (楽譜のリアルタイム読み、鍵盤チラ見=楽譜と鍵盤との間の高速視線移動)
     →暗譜してはいけない (これが最大のポイント)
      暗譜すると「覚え弾き」に後退する。徹頭徹尾、楽譜を見て弾く事にこだわる
     →最初から両手弾きせよ
      運指と同時に視線移動の訓練をするため。(片手弾きと視線移動が異なる)
     →音大、コンクール、プロには受け入れられない考え方である事は承知しています
      でも大人の初心者の大多数が「自由に楽しく」弾くためには、これしかありません
     

    ●大人から始めた方のためのヒントになれば

    上の文章は、本名を変えた以外、実際に持っていったメモそのものです。

    師匠にも理解してもらえたようです。「そうよね。1年目は楽しくてしょうがないんだけど、2、3年で辞めてしまう方が多い・・・。でもそこを乗り越えると続く人が多んですよね」と、おっしっゃてました。とりあえず、この方向で練習をしてみたいと思います。

    それはさておき、私のように大人からピアノを始めた場合は、練習してもなかなか上達しません。それは、「歳のせい」もあるかもしれませんが、「練習のやり方に問題がある」場合も多いと思います。ある程度、考えがまとまったら、その内容を「大人のピアノの学習メソッド」シリーズとして気長に書いていきたいと思います。皆さまの何かのご参考になれば幸いです。
     
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