ゼロからでもピアノは弾ける

趣味ではじめた大人のピアノの記録。2004年に45才でバイエルからスタートしてクラシックの原曲に挑戦中。消音ピアノの活用や練習のヒント、工夫など。気が付けばピアノ歴10年越えです、相変わらず、下手です。はぁ・・・(^^)
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大人のピアノの学習メソッド:ピアノ力の構造
●覚え方が問題

初見でバリバリ弾きこなせるような方は別ですけど、普通は、練習を重ねて曲を少しずつ覚えていきます。

この「覚え方」が、子供から続けた人(熟練者、ピアノの先生など)と、大人の初心者では、構造的に違う、すなわち、「ピアノ力の構造」が違うのではないかと、最近、考えるようになりました。

「大人と子供は違う」と言うのは簡単ですが、「具体的に、どこがどう違うのか」、「その違いに応じた学習メソッドはあるのか」、という事が、私の長年の疑問でした。

まあ、11年もピアノをやっていれば、少しは分かってきた事もあります。最近の記事との重複もありますが、もう一度、分かりやすいチャートを作って整理してみたいと思います。

●熟練者の場合



熟練者が曲を覚える場合、上のチャートに示すように、主として「聴覚(音そのもの)」、「楽譜」、「鍵盤感覚」、「鍵盤を見ること」の四つの入力を使うのだと思います。(ゴチャゴチャした図ですが、これでも相当に省略して書いています。)

例えば、聴覚から入力された音楽は、まず「音響イメージWM」に蓄えられます。(WM=Working Memory、作業記憶、作動記憶、短期記憶)

※ちなみに、この図のWMは、ぜんぶ私のでっち上げなので、ご注意ください。これらの実在可能性は、火星人の想像図(タコみたいなアレね)並みです(笑)。

この音響イメージは、そのまま長期記憶に蓄えられます。音楽そのものを覚える事に相当します。

また、音響イメージは、ラベリングサブシステム、すなわち音とドレミの音名(階名の場合も含む。以下同様)を相互変換する能力によって、ドレミという記号(表象)に変換され、音名WMに送られます。

そして、熟練者の場合、音そのものと同時に、ドレミの音名列(聴覚的な言語情報)としても長期記憶に蓄えられます。

ドレミの音名列は、さらに運指サブシステムに送られ、どの指でどの鍵盤を押すのか、運指がプランニングされます。このプランニングの情報も長期記憶に送られます。

次に、その運指プランに基づき、筋肉が動き、打鍵が実施されます。その時の筋肉の動きや、指先で感じた鍵盤感覚(タッチ)の情報もまた、長期記憶に送られます。(いわゆる、指に覚え込ませる状態)

以上は耳から聞いた曲を覚える場合ですが、楽譜からスタートして、視覚的に情報が処理されるルートも当然あります。

音から覚える場合との違いは、楽譜には指番号が書いてあるので、運指プランニングの情報も得られる点です。

暗譜で演奏する場合は、長期記憶に蓄えられたこれら様々な情報を総動員します。

「何をどのくらい」というのは人によると思いますが、これらの総合的な記憶の力がピアノ力の源泉になっている事は間違いありません。

●大人の初心者の場合



一方、大人の初心者の場合、「音がドレミに聞こえない」、「楽譜が読めない」、というケースが大半でしょう。

上の図で言うと、「ラベリングサブシステム」、「読譜サブシステム」が無い状態です。聴覚言語的にも、視覚言語的にも、脳の持つ言語処理ないし記号処理の能力がほとんど使えていません。

この状態で曲を弾こうとすると、とにかく、どの鍵盤を押すかをクソ暗記して、ひたすら鍵盤凝視の状態で弾くしかありません。しかも運指もタッチもメチャクチャなので、まともに弾けません。

●大人の初心者は熟練者のようになれるのか?

これは、あくまでも、私の個人的体験に基づく仮定です。

なれません。

しかし、かなり近づく事はできます。
 
※ちょっと書き方がキツかったかもしれません。ここでいう「熟練者」は相当の演奏力を持つ「プロ級」の方を想定しています。こういった方と「同じ」になるのは難しい。でも、大人の初心者でも、頑張れば、かなりのレベルには行けると思っています。(2015/04/29追記)

音楽ではありませんが、言語習得で似たような現象の存在が分かっています。

第1言語(母語、母国語)の習得には年齢的な限界(臨界期)があって、それは思春期前(12才前後)と言われています。

ただし、当然のことながら、臨界期が過ぎても、言語習得がまったく不可能になるわけではありません。

第2言語(≒外国語)の習得においては、ネイティブの人のような発音や文法の獲得は困難である事が知られています。ただし、実用的に使える程度であれば、何歳からでも習得できます。最近は、日本にも外国の方が沢山住んでいますが、実用上問題ない程度の日本語は喋ってますから、実感としてお分かりいただけるでしょう。

そして、ごく少数ですが大人からでも第1言語並みの発音と文法を習得できる、という報告があるそうです。

ただし、その「第1言語並みの発音と文法を習得した人」が、ネイティブの人と同じ脳の使い方をしているとは限りません。

まあ、このあたりは、学問的にもまだまだ分かっていない事が多いようです。

話をピアノに戻します。

私の経験から言うとラベリングサブシステム(音がドレミに聞こえる能力)の習得は、ほぼ、不可能です。

子供の頃からピアノを習っていた熟練者やピアノの先生は、いわば、「ドレミ語のネイティブスピーカー」なのです。この人たちと同じにはなれません。

しかし、読譜サブシステムの方は鍛えれば何とかなります。

その場合であっても、子供が習う場合とは違うやり方をします。ラベリングサブシステムとまったく連携を取らない方法で鍛えるのです。(取りたくても存在しないので)

ピアノ力の半分を占める「演奏力」を、音そのものに依存しない視覚言語駆動システムに再編するのです。

別の言い方をすると、楽譜を「運指情報を記載した視覚言語」と割り切って、徹底的に速読する訓練をするのです。

少々刺激的な言い方をすると、「楽譜から音楽を読み取るな! ただ機械的に運指のみ読み取れ!」という事です。(あ、演奏の補助情報も少しは読み取ってね。)

これで、たぶん、弾けます。

●大人のための「酔狂メソッド」



以上をまとめたのが、上のチャートです。

今年(2015年)の2月上旬ぐらいまでは、何とか「暗譜して弾こう」と努力していました。しかし、どうしても、上手く弾けません。

2月下旬頃、開き直りました。「暗譜しなくたって、別に、いいじゃん! 子供の頃からやっていた人とは別のやり方を探そう!」と決めました。

その備忘録的チャートです。

※ピアノ力の残りの半分は、「音楽性」です。今回は、故意にチャートから「音楽性サブシステム」を抜きました。さて、そのココロは・・・。次回を括目して待て! 別に待ってる人はいないかぁ・・・。(笑)
| 坂上酔狂 | 大人のピアノの学習メソッド | 18:03 | comments(4) | trackbacks(0) | - | -
今回も興味深く読ませていただきました
でも、途中で理解不能になるのでごめんなさい
あの・・・是非出版してください
何回も過去も振り返って読みたくなるので・・・一度じゃすべて理解できないからかも、、、

でもわかった部分もあります

私の場合ラベリングサブシステムはゼロではないが、機能しません
耳コピしようとすると、非常に苦しいからです
そういうことであってますか?

読譜サブシステムは徐々に機能性が良くなってきています
なので、昔より新しい楽譜に取り組みやすくなりました

酔狂メソッドチャートを見て、おー!!!と思いました


>●大人の初心者は熟練者のようになれるのか?

>これは、あくまでも、私の個人的体験に基づく仮定です。

>なれません。

これはショックです・・・
わかってはいたけれど、かなり落ち込みます
ラベリングサブシステムだけの問題ではなく、指の筋肉の発達なども関係してきますよね
右手でさえも言うこと聞かないですからね


| みい | 2015/04/27 4:56 PM |

みいさま
今晩は、酔狂です。いつもコメントありがとうごさいます。

今回は、いつもにも増して、超マニアックな内容で、申し訳ありません。
分かりにくかった・・・ですね(笑)。

それはさておき、「熟練者のようになれるのか」と書いた時の「熟練者」は、プロ級の方を想定しています。例えば、私のお師匠様&大お師匠様(角聖子先生)のような方です。これは、本当に、すごい演奏力です。正直、かないません。(まあ、当たり前です・・・笑)

一方、「子供の時、ソナチネとかツェルニー30番の途中で辞めました」級の人とは、十分、タメはれます。大人の演奏力をナメてはいけません。真剣にやれば、きっと上手くなれます。私が習っている角聖子音楽院では、大人の方専用の発表会があって、いろいろな方の演奏を聞きますが、ホンネでそう思います。大人からはじめても、本当に上手いと感じる人はたくさんいます。

一方、こんな事を書くと怒られてしまいそうですが、私の師事している音楽院とは別の発表会の時の事ですけど(都内だとけっこうタダ演奏会があるので時々聞きに行きます)、○○音大卒でも、はぁ、そーなのネー、ふーん、と感じる事はあります。

今回の記事の書き方だと、ちょっと、誤解を招いてしまったかもしれません。後で、注記を加えたいと思います。(今週はちょっと時間無いので、連休中には何とかしたいと思います)

それから、「ラベリング能力の無さ」ですけど、これは、ピアノの演奏に関してはかなり不利ですけど、「音楽を楽しむ」という点からすると、必ずしもそうではないと思います。

次回記事のネタバレなんですけど、みいさまは、ドとソ(完全5度)を同時に弾いた時に、ドとソがはっきり分離して聞こえますか? それとも、両者が渾然一体とした一つの音に聞こえますか? 私は、二つの音を分離して聴き分ける事が難しいです。注意して聞いていると、確かに、二つの音に聞こえますが、音を分離するのはけっこう意識しないとできません。

これは、ラべリングできないことの利点です。倍音やアクション(鍵盤機構)の発している音そのものの全体としての響きを聞いているのです。「音楽」を聞くためには、むしろこっちの方が音楽を純粋に聞けます。みいさまも、きっと、そうなのではないですか?

ラベリング能力のある人は、音の基音だけを、選択的に聞いているはずです。ラべリングするためには、多様な情報を捨てて、一つの情報(基音)にのみに着目する必要があります。だからこそ、ドの音がドに聞こえるのです。どんなに澄んだ音でも汚い音でも、強い音でも弱い音でも、ドはドです。

一方、ラベリング能力の無い人は、すべての音を平等に聞いています。(それゆえ、ラベリングできないのです。)

だから、音色やタッチに関する繊細さという点では、実はラベリング能力が無い人の方が、優れている可能性があるのです。

このあたりを、今回の記事の続編に書こうと思っています。遅筆なんで、数週間後になってしまうと思いますけど・・・。

ああ、あと「出版」は・・・ご容赦いただければと思います。(^^)

Blogで好きな事(屁理屈!)、書いているのが、微妙にシアワセだったりします。あと、絶対に、売れません。(笑)

あともう一つ、子供の運動能力とケンカしても絶対に勝てません! こればっかりは、仕方ありません。でも、ピアノは年とっても楽しめると思います。例えば。トルコ行進曲をムチャ早や弾くするのは、楽しそうですけど、そこは大人の味で勝負しましょう(笑)。

| 坂上酔狂 | 2015/04/27 9:48 PM |

>ドとソ(完全5度)を同時に弾いた時に、ドとソがはっきり分離して聞こえますか? それとも、両者が渾然一体とした一つの音に聞こえますか?

はい、一体化して聞こえます
なので、慣れてくると弾きやすいように違う和音にしてしまっていて、気づかない事がよくあります。先生はすぐ気づく・・・
独学だとこういうところを指摘してくれる人がいないから、習うって大切!

>私が習っている角聖子音楽院では、大人の方専用の発表会があって、いろいろな方の演奏を聞きますが、ホンネでそう思います。大人からはじめても、本当に上手いと感じる人はたくさんいます。

大人の発表会があっていいですね!私は子供の発表会の中に一人だけソロ参加しているので、さみしいです。でもここしか場がないので参加してます。
大人ピアノの方の演奏を聴いてみたいです。次回大人演奏会があったら聞かせてくださーい

角聖子さんのHPも拝見させていただきました。確かにこういう方たちの演奏に到達する訳もなく、目指すには次元が違うので話になりませんね。
けど世の中には、30とか40でピアノ初めて、音大ピアノ科に入りましたー!みたいな人がいてもいいのにーと思います。そういう現実があると、なんか励みになります。

>一方、「子供の時、ソナチネとかツェルニー30番の途中で辞めました」級の人とは、十分、タメはれます。

(^O^)/おーーーこれ嬉しい!タメはりたーい!!!

>あともう一つ、子供の運動能力とケンカしても絶対に勝てません! こればっかりは、仕方ありません。でも、ピアノは年とっても楽しめると思います。例えば。トルコ行進曲をムチャ早や弾くするのは、楽しそうですけど、そこは大人の味で勝負しましょう(笑)。

わかってます。息子が2歳の時にサッカーの相手を永遠にやらされ、ゴールへの執着心と運動能力に「絶対かなわない・・・」と感じました。
「トルコ行進曲」は無理だけど「ねこふんじゃった」は子供と勝負しちゃいます。大人げないねー

https://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=sNF74gYx82Q
こんな「ねこふんじゃった」が出来たらいいんですど・・・

>ああ、あと「出版」は・・・ご容赦いただければと思います。(^^)

>Blogで好きな事(屁理屈!)、書いているのが、微妙にシアワセだったりします。あと、絶対に、売れません。(笑)

残念(>_<)
| みい | 2015/04/30 7:42 AM |

みいさま
酔狂です。

次の記事が、コメントの返信になっているはずです。
よろしくお願いします。

| 坂上酔狂 | 2015/05/01 10:06 AM |










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