ゼロからでもピアノは弾ける

趣味ではじめた大人のピアノの記録。2004年に45才でバイエルからスタートしてクラシックの原曲に挑戦中。消音ピアノの活用や練習のヒント、工夫など。気が付けばピアノ歴10年越えです、相変わらず、下手です。はぁ・・・(^^)
全記事の総合目次 いままでの記事がすべて整理してあります。
音楽理論を学ぼう(1)
●作曲講座

私の通っている角聖子音楽院では、今度2回シリーズの「作曲講座」というのがあります。 仕事の関係に2回とも参加できるかどうか微妙なのですが、面白そうなのでいちおう申し込んでみました。

また、「作曲講座」といっても、趣味でピアノを弾いている大人がおもな受講生なので、きっと楽しいお話を聞けるものと期待しています。

それはさておき……

●音楽理論は必要?

「音楽は感性でやるものなのだから理論は不要」という意見の方もいると思います。

ただ、私としては、趣味のピアノでも「ある程度の理論は必要」だと思います。

理由は簡単で、ひとつには、その方が面白いからです。 もうひとつの理由は、その方が楽できるからです。

●面白い・・・って、なにが?

人間には知識欲とか好奇心というものがありますから、何か新しいことを知ることが、単純に快感に感じるはずです。

例えば、楽譜についているシャープやフラット。 よーく見ると、規則性があることに気づくはずです。 また、黒鍵を使う順番にも規則性があります。

その規則に気づいた上で、楽典の参考書などを読むと、その内容が説明してあります。 その内容を理解した上で、もう一度楽譜や鍵盤を見ると、「なるほど、そうなってるのね」と理解が深まります。 最初はワケが分からなかったシャープやフラットの配列が、意味あるものに見えて来ます。

これは、少なくとも私にとっては、面白いことです。

●楽・・・って、どうして?

さらに、規則を理解してしまえば、シャープやフラットがいくつ付いていようが、へっちゃらです。 どの黒鍵を使うのか、少し考えれば分かるようになります。

最終的には「シャープやフラットの数を見ただけで瞬間的に黒鍵の位置が分かるようになる」のが理想なのですが、そこに至る道筋で、「ひたすらクソ暗記する」のと、「理論や規則を理解して覚える」のでは、後者の方がはるかに「楽」です。 (すくなくとも、それなりに理解力のある大人なら)

●さらに・・・

一つのことを理解すると、別の疑問が沸いてきます。

シャープやフラットの例でいうと、平均律や純正律といった調律のこと、転調や移調の仕組み(←この二つの用語、ちゃんと区別ついてますか?・・・恥ずかしながら私は最初はごっちゃ混ぜでした)、和音の種類や見分け方、等々。

これらもやはり楽典や音楽理論の参考書に書いてあります。 もちろん、感性の鋭い方は「音楽理論」など関係無しに直感的に会得してしまうことかもしれませんが、普通のオジサンにとっては、「本を読む」という伝統的なスタイルで勉強するのが早道です。

ということで、ピアノに向かう時間の取れない時は、あるいは、ピアノに向かう気になれない時は、音楽に関する書物を開くのも、また別の形のピアノの練習ではないかと思うのです。
| 坂上酔狂 | ピアノ練習のヒント | 09:24 | - | - | - | -
ギロックのジャズスタイルは、いかが?
●そろそろブルクミュラーの終わりが見えてきた

まだ数ヶ月はかかりそうですが、ブルクミュラーの終わりが見えてきました。 試しに出だしを弾くぐらいであれば、25曲中の24番「つばめ」あたりまで手が届きつつあります。

というワケで、気が早いのですが、次の教本探しです。

まあ、順当に行けば次はソナチネかツェルニー30番あたりなのですが、何かつまんないです。

というワケで、さっそく浮気モード。

「目指せ不良中年!(または、ちょい悪オジサン)」のワタクシメといたしましては、実は前からジャズにも興味があったのでした。 やっぱり、酒場で弾くには、ジャズ、です。
(あ゛ー、下心、みぃ〜え、みえ! ^^)

それで、ド初心者向きのジャズ教本を買ってみたのですが、う〜む、けっこうクラシックとは別世界です。







「楽譜通りに弾く」のが原則のクラシックと違って、「その人の感性で即興演奏する」のが原則のジャズは、ちょっと敷居の高いものを感じます。

そこで、「楽譜がちゃんとある、ジャズっぽいクラシックは、ないかな」と思ったのですが、まずはガーシュウィン。

ラプソデー・イン・ブルーが超有名ですよね。 しかし、原曲だと難しすぎて歯が立ちません。 かといって、アレンジ譜だと、何だかなぁ、です。(←贅沢で見栄っ張りな私)

もうちょっと易しいのは無いかと探していたら、ちょうど良さそうなのがありました。

●ギロック ジャズスタイル・ピアノ曲集

この本です。



CDも出ています。



ギロック(William Gillock 1917〜1993)はアメリカの作曲家で、子どものために多くの ピアノ曲を作曲した事でも知られています。 叙情小曲集などが有名ですが、実はこのジャズスタイル・ピアノ曲集は「大人のために」ちょうどよさそうなのです。 難易度も、ブルクミュラー・レベルの方なら何とかなりそうです。 (まだ一曲も手をつけていない私が言うので、話半分に聞いてくださいね)

というワケで、この本でしばらく遊んでみたいと思います。 (こういう余計なことをするから、本来の練習の時間が無くなるのです。 良い子はマネをしてはいけません。 なお、不良中年を目指す方は勝手にしてください。^^)

●試聴したい方は

この本に関しては、MIDIデータも販売されていて、下のサイトで各曲の出だしを試聴することができます。 興味のある方はどうぞ。

RNS ローランドネットワークサービス
トップページから 【ミュージックデータの購入】→ 【レッスン用(ピアノ)】→ 【メソッド】 とたどってください。

なお試聴には「試聴プレーヤー」をインストールする必要があります。 (試聴データをダウンロードしようとするとメニューが出てくるので、そこからインストールできます。)

| 坂上酔狂 | ピアノ練習のヒント | 18:29 | - | - | - | -
BSと地デジのクラシック番組
●ハイビジョンDVDレコーダー買いました

前から気になっていたのですが、BSデジタル放送や地上デジタル放送にクラシック系の番組がたくさんあるんですよね。

特に、NHKが充実していて、BSハイビジョンを中心に、けっこう聞きたいと思う番組があります。

ところが、その放映時間が深夜だったり早朝だったりして、録画しないととても見れません。

悲しいことに、我が家のDVDレコーダーは初期タイプでアナログ専用。 BSデジタルも地上デジタルも対応してません。

というワケで、思い切って、DVDレコーダー買い換えました。 BSデジタル放送と地上デジタル放送対応のハイビジョンDVDレコーダーです。

シャープ製のものが、ヨドバシカメラでタイムサービス特価で売っていたので、これをさらにちょっぴり値切って買いました。

●やっぱり絵があると違います

早速、録画して見ているのですが、やっぱり絵があると違います。

テレビの方は4年ぐらい前の東芝製の液晶テレビで、いちおうハイビジョン対応ですから、絵はそこそこ綺麗です。

しかし前のDVDレコーダーは「アナログ専用」なので、「低画質」のアナログ放送しか録画できません。 (そもそもデジタル放送は録画できませんし……)

今度の新しいDVDレコーダーはハイビジョン録画対応ですから、高画質で録画できます。 やっぱり、こうでなくちゃいけません。

肝心の番組の方ですが、見ていて面白いですし、演奏者によって姿勢や指使いがかなり違うので、参考になります。

また、普段は自分からは聞こうとしない曲も多いので、その点も参考になります。 (まあ、正直言って「好みじゃない」曲も多いのですけれどね)

●音質も改善したい・・・

絵が良くなると、音も良くしたいのが人情(?)です。

DVDレコーダーを買った数日後には、ホームシアター用スピーカーを買いに走るワタシなのでした。 (ああ、なけなしのボーナスが……)

本格的なホームシアターはとても無理ですから、ONKYOの簡易型のホームシアターセットHTX-11という機種を購入しました。



この機種は、ウーファー(低音用スピーカー)にアンプが内蔵されていて場所をとらずにコンパクトですし、東芝製の液晶テレビとつなぐ場合は、電源ON/OFFや音量調整がテレビ側のリモコンと連動(RI端子というもので接続)できるので、けっこう便利です。

本格的なホームシアターにはかなわないと思いますが、もともとのテレビのスピーカーに比べると音質が大幅に改善されます。 私の主観ですが、普及レベルのCDコンポ並みの音は出ているように思います。

●番組多すぎ!

録画予約をしていて思ったのですが、番組、多すぎます!

欲張って録画すると、ひと月を待たずしてDVDレコーダーのハードディスクが満杯になってしまいそうです。

なんか贅沢な悩みですが、とりあえず、NHK BSハイビジョンの「ハイビジョン クラシック倶楽部」と「ピアノピア」あたりをメインに録り溜めていこうかな、なんて思っています。

単発ものでも良い番組があるので、「Webで番組チェック」が欠かせない日課になりそうです。
| 坂上酔狂 | ピアノ練習のヒント | 08:15 | - | - | - | -
直列練習 v.s. 並列練習
●効率的な練習のために

「限られた時間で、できるだけ効率的に練習したい」――これは誰しも考えることでしょう。

その一つの方法が、「直列練習」と「並列練習」の使い分けです。

聞き慣れない言葉ですが、私の適当な造語です。 その意味は、下の図を見ていただければ一目瞭然だと思います。

image

直列練習というのは、素直に一曲仕上がったら次の曲に行くパターン。 並列練習は、進度をずらしながら同時に複数曲を練習するパターンです。

これは、「どちらが良い」というものではなく、「使い分ける」ことが重要なように思います。

ただ、余裕があれば並列練習の方が能率がよさそうです。

●並列練習の有効性

前にも同じようなことを書きましたが、「指が曲を覚える」ためには日単位の時間がかかります。 前日さんざん練習して弾けなかったフレーズが、今日はあっさり弾けてしまう、というのは誰しも経験することだと思います。

したがって、一曲を長時間練習するよりも、ほどほどに練習して次の曲にとりかかった方が、結果的に時間を有効に使うことになるはずです。 一曲にかかるトータルの時間は少し長くなるかもしれませんが、毎日の繰り返し練習によって全体の能率が改善されるからです。

●並列練習の限界

だからと言って、欲張りすぎてあまりにたくさんの曲を並行練習すると、結局どれも仕上がらない、ということになってしまいます。

一曲一日あたりの「最低限の練習時間」というものがあるはずです。

自分の技量や使える時間によって、「並列度」をどのあたりにするのが良いのか、調整する必要があります。 このあたりの「さじ加減」は、いろいろと試してみて自分なりの「最適配分」を見つけ出すしかありません。

●私の場合は

私の場合は、ハノン、ブルクミュラー25の練習曲、好きな曲(or 発表会用の曲)の三本立てで練習をしています。

最近は、ハノンを3曲、ブルクミュラーを2ないし3曲、好きな曲を1ないし2曲を並列練習する、というのが標準的なパターンです。 練習時間は平日で30分ないし1時間程度。 時間が無いときはメインの曲のみ。 余裕がある時は、少し先の曲を予習する、という調子です。

●並列練習の前提条件

実は、並列練習の前提条件として絶対に必要なのが読譜力です。

読譜力が弱い状態だと、「楽譜を読むのに時間がかかる&暗譜頼みで曲を覚えきれない」ということになってしまい、結果的に直列練習しかできない、ということになりがちです。

私の場合も、少し前まで、ハノンを1曲、ブルクミュラーを1曲、好きな曲を1曲で精一杯、という状況でした。

このような時は、曲の完成度を犠牲にしてもいいので、意識して並列練習をするようにしてください。 ちょっとツラいのですが、これが読譜力を改善する良いトレーニングになっていますし、たとえ僅かでも読譜力が向上すると、練習能率が目に見えて改善するので、やる気の維持にプラスになります。

「一曲仕上げるまで次に行かない!」という直列練習主義者(?)の方も、すこし浮気して並列練習を試してみてはいかがでしょうか?
| 坂上酔狂 | ピアノ練習のヒント | 09:18 | - | - | - | -
鍵盤から指を離さずに弾く
●共通の指摘

ネットを探すと、ピアノの奏法や脱力に言及したWebサイトがたくさんあります。

それらの多くに「鍵盤から指を離さないようにして弾け」というアドバイスが書かれています。 (ニュアンスや言葉はいろいろいですが……)

以前、お師匠様にこの事を聞いたら、「手がなるべく鍵盤上にあるように。一瞬でいいから、指を鍵盤上に置いてから弾くように」というお答えでした。

やはり言いたいことの基本線は同じです。

なぜでしょう?

●二段階動作より一段階動作

試しに、机の上に手を少し浮かせた状態で、人差し指で机をトンと叩いてみます。(一段階動作)

次に、一回指を大きく振り上げてからトンと叩いてみます。(二段階動作)

明らかに、次のような事が言えると思います。

(1) 一段階動作の方が速い

(2) 一段階動作の方がラク

次に、薬指で同じことをやってみます。 訓練を積んだピアニストならともかく、普通の方なら次のように感じると思います。

(3) 薬指はそもそもに上にあがらない。 無理に上げようとすると、手全体に余計な力が入る。

(4) 二段階動作だと、指を動かそうと意図してから実際に指が机に当たるまでのタイミングが、人差し指と大きくずれる。 一段階動作だと、人差し指とほぼ同じタイミングで机を叩ける。

という事は、一段階動作の方が、速いパッセージを、正確に、粒をそろえて弾くために有利なはずです。

さらに、指の「待機ポジション」を空中にするのは不安定です。 場所も不正確になりがちですから、ミスタッチの原因となります。

したがって、指を軽く鍵盤の上に乗せておくのが、いちばん自然な位置になります。

この状態で一段階動作をすると、必然的に「鍵盤から指を離さずに弾く」ことになります。

●上部雑音も減らせる

続いて、ピアノの音が出ない程度に鍵盤をペシペシ叩いてみます。 けっこう大きな音がします。 爪を立てれば、もちろんカッカッという音がします。 (それに、けっこう痛い)

鍵盤から指を離さずに弾けば、こういった音(上部雑音)を大幅に減らせます。

●ところが初心者は

それじゃあ、「鍵盤から指を離さずに弾いてみよう!」と思っても、できません。 指が浮いてしまいます。 無理に指を離さないようにしようとすると、肩から指先まで余計な力が入りまくります。

ようするに、ぜんぜん「脱力」ができていない、ということです。

●できることか、少しずつ

鍵盤から指を離さずに弾く、というは、今の私には無理です。

まあ、焦っても仕方ありません。 できる事から少しずつやっていきましょう。

例えば、私の場合、次のようなことに気をつけるようにしています。

(1) お師匠様のアドバイスのように、一瞬、指を鍵盤の上に置いてから弾く。 (ある程度、指が鍵盤から浮いてしまうのはやむを得ないが、上から叩くような弾き方はしないように心がける)  これは、正しいポジション、手の形を作るという点でも効果的です。

(2) 可能な場合は、指を鍵盤から離さないように、それが無理なときでも、指を跳ね上げないように、使わない指はなるべくリラックスさせて弾くようする。 特に、小指がピンと突っ張るのは厳禁!

(3) ハノンの練習の時に、指を鍵盤から離さないパターンの練習を取り入れる。 (ハノンは筋トレという側面もあるので、あえて指を高く上げて振り下ろすパターンで練習するときもあります。「ハイフィンガー奏法」というやつですね。)

こんな事を意識して練習していると、カタツムリの歩みですが、それでも多少は改善してきているように感じます。
| 坂上酔狂 | ピアノ練習のヒント | 11:19 | - | - | - | -
アクションの動作音による音色の変化の実験
●何をしたのか?

いろいろ考えているうちに、打鍵のしかたで音色が本当に変わるのか、ちゃんと確認したくなってきました。

幸い、消音ピアノを使えばちょっとした実験ができそうです。

仕掛けは簡単で、録音する時に、

 ・消音ピアノの音 → 右チャンネル
 ・外部マイクで拾ったアクションの動作音 → 左チャンネル

としてやって、後でミキシングしてみればいいのです。

こうすれば、「弦からでる音量は同じだが、タッチの違いによって下部雑音等の強弱が変わった場合の音色の変化」のシミュレートができるはずです。

使用した外部マイクは、安いものですが、いちおう音楽録音用のコンデンサマイクです。 (FOSTEXのMC10)

このマイクをアップライトピアノ背面の響板に接近させて、アクションの音を拾います。

消音ピアノの音と外部マイクの音はそれぞれステレオで出力されていますが、これをミキサーを使ってモノラル化して、左右のチャンネルに独立して録音します。

録音レベルは、厳密に考えるといろいろ難しそうですが、今回は「適当」です。 ま、こんなものかな、というレベルにしました。

●結果は?

まあ、論より証拠です。 以下を聴いてみてください。

ドレミファソファミレを音域を変えて3回、f〜ffで指を垂直に振り下ろすような弾き方で録音したものです。

・電子ピアノの音とアクションの音をミキシング 
with_noise.mp3 (MP3 0.5MByte)

・電子ピアノの音のみ 
without_noise.mp3 (MP3 0.5MByte)

・アクションの音のみ 
noise_only.mp3 (MP3 0.5MByte)

低音域は分かりにくいのですが、高音域になるとアクションの音がかなり混じるのが分かると思います。

この実験方法だと、「アクションの音が異常に大きいオンボロ・ピアノ」を弾いているようなものですが、少なくとも「音色が変わる」という点だけは確認できた、と言えそうです。

なお、消音ピアノ(私の場合は、ヤマハのサイレントピアノ)の音は、フルコンサート・グランドピアノの音をサンプリングしたものですから、既にそれなりのアクションの音が含まれている、という点に注意してください。

また、消音ピアノ側でも鍵盤の動きをセンサーで検出してアクションの音の発生をシミュレートしているのかもしれません。(してないのかもしれません。私の耳では聞き分けられません。)

以上、「いちおう試しにやってみました」というレベルの実験なので、あくまでも参考程度に留めるようにお願いします。
| 坂上酔狂 | ピアノ練習のヒント | 07:51 | - | - | - | -
打鍵のしかたで音色は変わるのか?
●最初に結論:変わります

実際に自分の耳で確かめれは、すぐわかります。 「百見は一聞にしかず」です。

でも、「聴きゃあ、わかるでしょう」じゃ、理科系人間の習性が許しません。 なぜ変わるのか、そのメカニズムを考えてみました。

どこかの教科書に載っていそうな内容ですが、まあ、オヂサンの趣味のヘリクツです。 興味のある方は、お付き合いください。

●指と鍵盤の動きのモデル化

ピアノというのは、鍵盤を押し下げている途中でハンマーが押し出され、そのハンマーが弦に当たって音をだします。 その音量は、ハンマーが押し出される瞬間の鍵盤の降下速度に支配されます。 別に、気持ちの入れ方とか、経験年数とかは関係ありません。 単純な物理的現象です。

(YAMAHAのWebサイトに、鍵盤の動きの動画が載っています。興味のある方は探してみてください。)

しかし、鍵盤が底に当たったときに出る下部雑音、そして、跳ね返った鍵盤が上に戻るときの雑音(何て呼ぶのか知りませんので仮に「反発雑音」と呼びます。私の便宜的な造語ですので悪しからず)は、弾き方によって大いに変わります。

下部雑音だけでなく、反発雑音もけっこう大きな音なので無視できません。

さて、下の図1を見てください。 長い横線が、鍵盤の上面を表します。

右端が見にくいので、拡大したものが図2です。

image
《図1 ピアノの鍵盤と指の動き》

image
《図2 図1の部分拡大図》

鍵盤の正確なスケールを知らないので、支点Fから鍵盤の端までを20cm、鍵盤の最大降下量(Cの位置)を16mm、鍵盤がハンマーを送り出す時の降下量(Bの位置)をその半分の8mmとして、テキトーに作図してあります。 (我が家のピアノだと、Cが約10mmだったので、かなり誇張気味の作図になっていることに留意してください)

まあ、あんまり厳密な話をするつもりはないので、こんなもんでしょう。 あと、例によって絵がヘタクソです。

図中の V は、指を垂直に鍵盤におろす奏法(以下「垂直打鍵」)、R は指を丸めて引っかくように弾く奏法(以下「引っかき打鍵」)を表します。

他の弾き方もあると思いますが、とりあえずこの二つについて考えてみます。

以下、ちょっぴり数学っぽく書いてありますが、言いたいことは図から直感的に分かると思うので、数学アレルギーの人も拒否反応起こさないでくださいね。

●下部雑音について

垂直打鍵では、ハンマーを送り出す瞬間の指の運動速度 VB と鍵盤が底に当たるときの運動速度 VC は、あまり変わらないと思われます。 思いっきり鍵盤を叩くと、 VC の方が大きくなるかもしれません。

熟練者であれば、うまく指の動きをコントロールして VC を小さくできるかもしれませんが、初心者には難しいでしょう。

一方の引っかき打鍵の場合は、ハンマーを送り出す瞬間、指は鍵盤に対して斜め方向に運動しているはずです。 (これを RB とします)

仮にその角度が約45度だとすると、
RB = 約1.4 × VB
としてやれば、鍵盤の下降速度は(したがってハンマーを送り出す速度は)垂直打鍵の場合と同じになり、同じ音量の音が出るはずです。

要するに、引っかき打鍵の場合は、ある程度スピードアップして指を動かせば垂直打鍵と同じ音量がでるはずだ、ということです。

問題はその後です。

引っかき打鍵の場合は、下部雑音が次の二つの理由によりかなり小さくできると考えられるのです。

(1) 鍵盤が底に当たる時の指の運動方向の角度が、ハンマーを送り出した時よりも浅くなる。 これにより、下部雑音を発生させる垂直方向の速度成分が小さくなる。

(2) 垂直打鍵の場合は、ハンマーを送り出した直後にブレーキをかけて VC を小さくするのは難しいが、引っかき打鍵の場合は、指の筋肉の弛緩と、指と鍵盤の摩擦によって、ブレーキをかけて RC を小さくしやすい。

この二つの理由で、下部雑音を小さくできるのではないかと思われるのです。

●反発雑音について

垂直打鍵の場合は、降下終了後、指を跳ね上げるか、そのままそこに残して、あとからゆっくり上げるかによって、反発雑音を制御できます。

引っかき打鍵の場合は、そのまま指を鍵盤から手前に外してしまうか、鍵盤上に残すかによって、やはり反発雑音を制御できます。

指が鍵盤上に残っている場合は、ゆるやかに鍵盤を戻せば、当然、反発雑音を小さくできます。

ただし、どちらかと言うと、引っかき打鍵の方がゆるやかに鍵盤を戻す動作がやりやすいように思います。

●脱力との関係

うまく脱力ができていると、VCRC を小さくできます。 これで下部雑音が減らせます。

特に、熟練者が引っかき打鍵かそれに近い指の動きをしている場合は、その気になれば RC をほとんどゼロにできるのではないかと思います。

さらに打鍵終了後に指が鍵盤上に脱力した状態で残っていると、指の重みのダンパーが利いた状態で、 鍵盤の自然な復元力で鍵盤がゆっくり上がっていきます。 これにより、反発雑音を減らせます。

脱力ができている状態を「指が鍵盤に吸い付くようだ」と表現する方がいますが、上のような状態を表現しているのかもしれません。

熟練者の演奏は、とても澄んだ綺麗な音がしますが、こういったメカニズムが働いているものと考えられます。

●以上、単なるヘリクツ的仮説です

以上、私の空想に基づく単なるヘリクツです。 実証されたものではありません。 いわゆる「仮説」に過ぎません。 (そう大きく「外して」いるとは思いませんが)

また、打鍵と音色との間には、もっと別の要因があるのかもしれません。 (こっちは、たぶん、いろいろとあるのでしょう)

ま、ピアノを弾くだけじゃなくて、タマには脱線ということで、ご容赦を。
| 坂上酔狂 | ピアノ練習のヒント | 09:16 | - | - | - | -
読譜力アップ(9) 譜面台の高さアップのその後
●効果あり!

以前の記事で、アップライト・ピアノの譜面台をグランド・ピアノ並みに高くする工夫について書きました。

しばらく練習してみた感想ですが、確かに、「読譜力向上」という面で効果があります。

いまノクターンの遺作の譜読み中ですが、「なるべく鍵盤を見ないで、楽譜を見ながら弾く」という作業がやりやすくなったように思います。

また、ブルクミュラーの譜読み(18番の「気がかり」と19番の「アヴェ・マリア」)にもトライしてみたのですが、ほぼ初見の状態で、楽譜を見ながら最後まで弾くことができます。

もちろん、超ゆっくり、テンポ無視、間違えまくり、止まりまくりの状態ですし、曲自体はCDで聴いて知っていたので「ちょっとズルい初見」なのですが、それでも以前は出来なかったことです。

中級者以上の方には「できて当たり前」のことかもしれませんが、私としては、けっこう画期的なことなのです。

今までは、いち小節、いち小節、指に覚え込ませて楽譜を見ないでも弾ける状態(要するに暗譜状態)にしないと、最後までたどり着けなかったのです。

●次なる課題は

スピードアップと正確さの向上です。

現状では、「楽譜を見ながら最後まで行ける」だけであって、曲になっていません。

「鍵盤感覚」があやしいので、これも練習が必要です。

瞬間的に運指を考えることもできません。 ブルクミュラーのように指番号が丁寧に振ってある曲でないとダメです。

とにかく数をこなすしかないでしょう。 まだまだ道は長いです。

でも、少しだけ先が見えてきたように思います。
| 坂上酔狂 | ピアノ練習のヒント | 07:04 | - | - | - | -
ピアノ雑誌
●ピアノ雑誌あれこれ

書店や楽器店に行くと、ピアノ雑誌を目にすることがあります。 ピアノを始めるまではまったく興味が無かったのですが、最近は毎月必ず買っています。

しかしながら、ピアノ雑誌というのは、小さな書店には置いてない場合も多いですし、大型書店でも「全部そろっている」という事は少ないようです。 「ピアノ雑誌なんて、あるの?」とお思いの方もいるかもしれません。(実は私もそうでした)

以下、クラシック系の記事が多いピアノ雑誌に限定して、私がほぼ毎号購入しているものを紹介してみたいと思います。 何かの参考になれば幸いです。

なお、コメントは私の独断と偏見に基づいたものです。 悪しからず。

月刊誌「ショパン」

一番良く目にするピアノ雑誌です。 雑誌名のとおり、純クラシックピアノ系。

どちらかというと、ピアニストやコンサートの紹介に重点が置かれた内容のように思います。

毎号の付録に数曲分のスコア(楽譜)が付くのが特徴です。



月刊誌「ムジカノーヴァ」

この雑誌もよく目にします。 これも、純クラシックピアノ系。

内容は上の「ショパン」と似ていますが、どちらかというとピアノの先生やピアノ学習者を想定した記事が多いように思います。

著名なピアニストの連載コラムがいくつかあって、これがけっこう面白いです。



隔月刊誌「ピアノスタイル」

クラシック系とポピュラー系が半々、といった内容です。 隔月間です。

最近のヒット曲や話題になっているクラシック曲の楽譜が10曲ほど掲載されていて、紙面の半分程度を占めます。 クラシック系はアレンジ譜が多いようです。

また、これらの曲のCDが付録で付いて、それが大きな特徴です。



他にもありますが、今回はこのあたりで。

| 坂上酔狂 | ピアノ練習のヒント | 09:51 | - | - | - | -
読譜力アップ(8) 楽譜を読みながら弾くための小さな工夫
●なぜ「楽譜を読みながら弾けない」のか?

「楽譜を読みながら弾く」――これが私にとっての大きな課題です。

暗譜で弾く……正確に言うと、指使いを暗記してしまうという弾き方では、一曲仕上げるの時間がかかってしまいます。 また、演奏の途中で止まってしまうと回復困難な状態になってしまいます。

それから、けっこう鍵盤を見ながら弾いています。 実はこれが大きな問題です。

私の場合、ナチュラルポジション(手を移動しないで弾ける範囲)であれば、鍵盤を見なくてもまあまあ大丈夫です。

ポジションの移動を伴う場合でも、ハノンのような規則的、かつ、2度(隣り合う鍵盤)の範囲の移動なら、手元を見なくても何とかなります。

しかし、大きなポジション移動や指またぎがあると、どうしても鍵盤を見てしまいます。 ただし、これ自体は、ある程度やむを得ないことです。

問題なのは、「一度鍵盤に目をやると、(いけないとは思いつつも)ついつい鍵盤を見続けてしまう」という点です。 当然、楽譜の方は「お留守」になります。 これが、諸悪の根源です。

先生にも何度か相談してみましたが、「何となく鍵盤や手元が視野の端に入っているような弾き方が理想」、「酔狂さんの場合、楽譜を見ながら弾けるようになったほうがよい」という答えです。 はい、その通りです。

●どうすればよいのか?

練習法をいろいろ考えてみました。

(1) 鍵盤を布か何かで隠してしまう

どこだったか忘れてしまいましたが、こういう練習法があるというのを読んだ記憶があります。

究極の練習法かもしれませんが、私の実力では、ポジション移動を伴う曲がまったく弾けなくなってしまいます。

(2) 声を出して楽譜を歌いながら弾く

有効だと思いますが、和音は歌えません。

また、#や♭の付いた音が歌いにくいです。 「ド・シャープ レ・シャープ ファ・シャープ ソ・シャープ〜」なんて、やってられませんし、かといって、#や♭を意識しないと違う鍵盤を弾いてしまいそうです。 ドイツ音名を覚えればよいのですが、まだほんの数音覚えただけです。

(3) 譜面台の位置を変える

簡単ですし、多少は効果がありそうです。 まずは、これから試してみることにしました。

●譜面台の位置を変える

グランドピアノの譜面台はかなり高い位置にあります。 一方、多くのアップライトピアノの譜面台(蓋の裏に譜面立てが付いているタイプ)は低い位置にあります。

譜面台が低い位置にある、ということは、ついつい鍵盤に目をやりやすい、ということです。

そこで、アップライトピアノの譜面台をグランドピアノ並に高くする秘密兵器の登場です!  ジャ〜ン!

image

思わず笑っちゃいますけど、これで譜面台の高さが約1m、グランドピアノとほぼ同じになります。 ティッシュペーパーの箱が、ちょうどよいサイズなのです。

奥行方向がグランドピアノより狭いのですが、それはまあよしとしましょう。

これで、鍵盤と楽譜の視点移動が大きくなるので、「鍵盤を見ないようにしよう」という意識が持ちやすくなるのではないかと思います。

また、グランドピアノで練習する時の違和感が減るはずですし、背筋を伸ばして弾く練習にもなるはずです。 (鍵盤に目をやると、どうしても猫背になりがち)

しばらく練習してみて、効果を確認したいと思います。

※ふと思ったのですが、電子ピアノの場合、譜面台の位置がアップライトピアノよりさらに下になります。 これが、電子ピアノの(隠れた)問題点のひとつなのかもしれません。
| 坂上酔狂 | ピアノ練習のヒント | 09:15 | - | - | - | -
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